
大会後の集合写真
春秋杯争奪全日本学生雄弁大会とは
春秋杯争奪全日本学生雄弁大会とは、法政大学弁論部が主催する弁論大会です。
春秋杯は、数々の弁論大会のなかで最も重要な大会の一つであり、毎年、多くの大学弁論部の学生が、各々の問題意識を主張するべく参加し舌鋒鋭く、論を競い合います。
本大会は今年の2024年度の大会で49回目を迎えており、これまで数多の素晴らしい弁論がなされてきました。
春秋杯創設の背景
法政大学弁論部部則前文に「我々、法政大学弁論部は真の民主主義を基調とし、科学の究明と思索の場たらしめ、学問と思想の自由を確立し、知性を磨き、人格の完成を求め、人類の福祉と世界平和実現の場たる青年学徒の育成に努め、もって真の雄弁道の研鑽に励むことを目的とする。」とあります。
この目的を達成し成果を出す場として、春秋杯が開催されるようになりました。
春秋杯の歴史
春秋杯の歴史は非常に長く2024年度をもって、49回目を迎えることとなりました。昭和・平成と年号の変わり目をまたぎ、主要弁論部である五大法律学校の弁論組織をはじめとし、個性あふれる団体が参加してきました。
一時期は弁論機運の退潮を受け、大会の歩みも遅々となりましたが、その状況は打開されることになります。
当時、企画局長であった社会学部2年生の木村健太郎氏が実行委員長となり、第40回春秋杯争奪全日本学生雄弁大会を復活させたのです。
捲土重来を果たした大会では、春秋杯の伝統の継承と時代に合った新たな風の融合が見事に果たされ、盛況のうちに終わりました。
現在も、社会問題を意識する優秀な学生弁士の素晴らしい弁論がなされており、多様化・複雑化する社会において若人が舌端火を吐き、主張を述べる場としてその存在意義を発揮し続けています。
春秋杯の特徴
説得力重視の評価基準
連綿とした歴史を持つ弁論大会、春秋杯には他の大会とは一線を画する大きな特徴があります。それは説得力 100 点満点で審査が執り行われることです。一般的にほとんどの弁論大会では、論旨や声調等、様々な要素を加味して当該弁論について審査員が得点をつけていくという形式を取ります。
しかし、春秋杯ではそうした個々の要素を踏まえたうえで、いかに審査員を納得させたかを問う説得力を重要視し、その優劣を競い合います。ゆえに他の多くの大会以上に論理構成や分かりやすさはもちろん、聴衆への伝わりやすさを意識して弁論を行う必要があるわけです。
弁論は、プレゼンテーションのように手元に資料が与えられるわけではありません。発声する言葉のみで、相手に対して理解を得られるよう努力しなければならないのです。そのため、説得力 100 点満点という春秋杯の審査基準は、弁論という行為の本質を体現するものと言えます。
聴衆審査賞の設置
春秋杯の他大学の大会と異なるもう一つの特徴として、聴衆審査賞が挙げられます。
聴衆審査賞とは、文字通り聴衆の審査によって授与される褒賞です。
聴衆は、出場弁士の所属する団体のなかから選ばれ、大会規定を順守しながら自大学以外の弁士に対して採点を行います。
その集計の結果、最も聴衆からの評価点が高かった弁士に対して聴衆審査賞が贈られることになります。
多数の聴衆の評価により授与される賞状のため、聴衆審査賞は最も格式の高く名誉ある賞ということになります。